本のある生活~良書との出会い~: 「書評」そうか、君は課長になったのか。/佐々木常夫

2021年4月4日日曜日

「書評」そうか、君は課長になったのか。/佐々木常夫

そうか、君は課長になったのか
[著書]そうか、君は課長になったのか。

[著者]佐々木常夫

[発行]WAVE出版(2010年3月3日)

本書は過去に読んでいたのだが、改めて再読してみた。管理職としての考え方や心構えなどがわかりやすくまとまっている。自身の会社員生活に照らして、何度でも読み返したくなる一冊である。

本書は、「石田君」という架空の課長に向けた応援という形で構成されている。本書の内容を的確に示したメッセージから始まっている。

部下を動かすのはスキルではない。部下の心を動かす、君の高い「志」だ

「課長とは人を動かすのが仕事であり、そのためには本気で相手と接しなければならない。それには大きなパワーが必要であり、課長の仕事そのものである。プレイングマネジャーにはなってはダメだ」・・・・私も一人の管理職として振り返ると、全くできていないことに気がついた。日々の業務に明け暮れ、仕事をした気になっているだけである。部下に対する興味・関心が希薄だったと反省した。部下にも色々な性格がある。また経験年数や年齢も大きな要素だろう。一人ひとりと向き合い、粘り強く接することが組織の仕事の成功につながるのだ。だが私は、課長がプレイングマネジャーになることが全てダメとは思わない。会社や業務にもよるが、厳しい経営環境の中で少数精鋭で取り組む事もある。課長が実践することで部下の動機付けや見本になることもあると思う。何事にもやりすぎには注意したい。

重要なのは個々人のモチベーションを高めることです。仕事の結果に差をもたらすのは、能力というより熱意だからです。

部下に様々な者がいる。学歴が高い者・真面目な者・手を抜く者・社交性がある者・コツコツ進める者など人それぞれである。部下は選ぶことはできないが、部下もまた上司を選ぶことはできない。そうであれば、その個性を十分に理解した上で、チームとして仕事に取り組んだ方が幸せである。著者は”どんな部下でも粘り強く指導して全体として成果を上げる”ことが重要としているが、そこは一定の線引きも必要だろう。私は”仕事ができない者”は大歓迎だが、”仕事ができるのにしない者”は切り捨てて良いと思う。前者は自分の能力の範囲で一生懸命取り組めば評価できるが、後者は頭が良いだけもっともな意見を言うケースが多々ある。それではチームとしては成り立たない。仕事に「評論家」は不要である。

本書の中から印象に残った部分を自分なりの感想を書いてきたが、その他にも課長として、社会人として、父親として参考になることが多数ある。読み終わって感じるのは「課長は孤独なのだな」と言う事である。課長にかぎらず、上位職になればなるほど孤独なのだと思う。(社長が一番孤独だろう)どこの職場でも部下(一般職)は一定の団結というかコミュニティーがある。同じ課でも課長は権限や人間関係、他部門との関係から、その中には入ることができない。それでも部下の成長を促し、喜び、業績を上げなければならない。本書は課長としての心構えや考え方、過ごし方がまとめられている。会社生活の中で迷った時や行き詰まった時、自身を振り返ることができる一冊である。何度でも再読したい。

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