本のある生活~良書との出会い~: 「書評」ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則/ジェームズ・C・コリンズ

2020年11月11日水曜日

「書評」ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則/ジェームズ・C・コリンズ

ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則

[書籍]ビジョナリーカンパニー②(飛躍の法則)

[著者]ジェームズ・C・コリンズ

[発行]日経BP出版センター」(2001年12月21日)

一作目では偉大な企業であり続けるためには普遍的な「基本理念」の必要性を説いた。この二作目では、偉大な企業になる転換期に着目し、どうすれば偉大な企業になれるのかを分析している。その中から、私が着目した内容について感想を述べる。

■第2章 野心は会社のために

経営者の能力は5段階に分かれており、最高水準の5水準は「謙虚さ+不屈の精神」だと説いている。第5水準の経営者になる要件なども記されているが、その中の一つを紹介する。

第5水準の指導者は成功を収めたときは窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つけ出す。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える。

物事が成功したりうまくいったりした時は、誰しも自分を認めてほしいと思うものである。また、失敗した時は誰かの責任にしがちである。そうやって自分を正当化するのが普通の人間ではないかと思う。「謙虚+不屈の精神」と言うのは簡単であるが、それができてこそ、優秀な人材であり、こういう経営者がいる会社が偉大な会社になるのであろう。偉大な経営者が特別な能力や才能を持っているわけではなく、自分を客観的にみることで、感情的にならず冷静な判断ができるのだと思う。私も頭に血が上った時は、鏡を見て反省したい。


■第3章 だれをバスに乗せるか

偉大な企業には、経営者然りそこに働く”人材こそが最も重要な資産”である。私も会社の一員として働いているが、社員の底上げ・ベースアップに力点を置いた教育を行っている。社員ひとり一人の能力や性格・意欲は別にして、皆一律に教育するのが一般的ではないか。しかし、本書では”人材こそが最も重要な資産”の考え方が異なる。それは、最初に適切な人を選び、そしてその適切な人が継続的に高いパフォーマンスを上げることが重要である。「人材は最重要の資産ではなく、”適切な人材こそが”重要な資産」だとしている。この考え方は、いかにもアメリカらしいと思う反面、納得する部分も多かった。会社は学校ではない。新入社員であれ、ベテラン社員であれ、その会社にいる以上はプロなのである。プロなら教えてもらうのではなく、自ら学習し意欲を持って取り組まなければならない。特に日本では終身雇用や年功序列が根深く、社員は保護されている。高度成長期であればミスをしても、それを上回る収益が得られるので問題とならないが、現在は戦力にならない社員を抱えるほど会社に体力はない。適切な人材になれない者はそれなりの処遇が当然なのだと思う。厳しい見方だが、本書でもそういった人材を求めれば、長く働けない者もいるが、それは冷酷ではなく厳格である。冷酷でなく厳格であれば優秀な人材は自分の地位を心配することなく仕事に集中できるとしている。日本でもこの考えは浸透するだろうか。


■第4章 最後には必ず勝つ

適切な人材は意欲を引き出させる仕掛けは必要ない。必要なのはその意欲を妨げないようにすることである。そのためには「自分の意見が言える機会と上司が意見を聴く機会が十分にあること」とある。これはコーチングの考え方である。私の認識としては、コーチングとは相手の話を聴き信頼を得ることで行動を促すと理解している。上下関係があると、自分の意見が言えないことも多い。信頼関係を築き、意見が言える社風・風土がある会社は継続して反映していくだろう。なにより社員が働きやすい”風通しの良い会社”なのだ。言葉では簡単だが、実は私も”風通しって何?”というのが本音である。そのカギは上司が握っているのではないだろうか。まずは自分の意見は言わず、相手の話をじっはり聞くことから始めたい。小さな一歩であるが、自分が変われば相手も変わる、ひいては会社も変わることだろう。


■第6章 人ではなくシステムを管理する。

どんな会社にも役職・階級がある。当然、上位職のほうが”偉い”のであるが、この差が不平等とある。階級が高いものがその権利ばかりを行使していては、社員はついてこない。そういう意味で社員と公平でなければならない。ある偉大な会社の考え方を紹介する。

地位と権威は指導力によるものであって、地位によるものではない

地位や権限は人間性や努力についてくるもので、自分の力だけで得られるものではないと思う。ある程度までは自分の実力だけで昇進できるだろうが、管理職以上は”昇進させてもらうもの”だと私は思っている。周りからあの人なら大丈夫と思われてこそ昇進すべきである。実力のない者に地位や権威といった武器を持たせることは、周りも本人も不幸である。


1 件のコメント:

  1. Let’s a glance at|check out} a few of the the} high sports for sports betting. Sports betting has experienced a boom latest years|in latest times|lately} and one purpose for that is that sports betting provides an extra element to a sport or a sporting occasion. When might have} placed a bet, you will expertise the sport in a different 우리카지노 way|in one other way}.

    返信削除