[書籍]新・日本の階級社会
[著者]橋本健二
[発行]講談社(2018年1月20日)
我々の生活は格差が広がったと言われて久しい。この本は、そんな「格差」や「階級」がなぜあるのか、どうなるのかが分析されている。そんな時代で生活する上での”あり方”について考えさせられた本であった。
現代社会は様々な職種・職業・生活スタイルがある。そこには収入や生活環境、結婚・就職、家族構成など、個々の状況により生活水準が大きく異なることから、近年では格差社会と言われている。この本では、そんな現代の生活構造を「格差」ではなく「階級」としてとらえ、その「階級」を詳細に分析している。そこには親の職業や女性であれば夫の職業によって、生活水準や幸福度が左右されることが示されている。この結果はデータに基づくものであり、かなり説得力のあるものだと感じた。自身の生活に照らしても、あながち間違っておらず、納得した部分も多かった。ザックリと言えば「金持ちは金持ちに、貧乏は貧乏であり続ける傾向が強い」ということであろうか。一方で、階級が下がれば這い上がることは相当な努力が必要である。必ずしも「お金」だけが幸せの物差しではないが、重要なファクターではある。
貧困により十分な教育が受けられなければ、必然的に収入は下がることになるであろう。しかし、それは生まれ育った環境で将来がある程度決まる、若しくは制限されてしまうことを意味する。確かにハンディキャップであることは事実であるが、それを乗り越える意欲や勇気・やる気があれば、結果はついてくると思う。むしろハンディキャップがあるからこそ行動や意識の向上につながり、そういった結果が得られるのではないだろうか。
どんな社会・組織でも必ず”格差”はある。格差のない世の中など存在しない。どんなに努力しても越えられない・変えられないこともあるだろう。そんな中でも「ピンチはチャンス」という気持ちだけは忘れずにいたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿